2018年1月19日金曜日

海底火山ハブレの2012年噴火

※英語でしかプレスリリースが出ていない為に、伝言ゲームを経た奇妙な表現が多い日本語記事が出ているようです。関係者として居心地が悪いので、個人の責任でこの一般向け紹介記事を公開します。


海底火山ハブレの2012年噴火

2012年7月18日、南太平洋の海底火山ハブレ火山("Havre"; アーブルとも読む)で人知れず始まった流紋岩質マグマの噴火は、僅か22時間以内に1.2立方kmの軽石を噴出する大規模な噴火であった。これは例えば富士山宝永噴火(1707年)や桜島大正噴火(1914年)のほぼ2倍であり、陸上ではプリニー式噴火と呼ばれている爆発的噴火と同等規模・噴出率の噴火が深海底においても実際に起こるという初めての観測例である。
ハブレ火山は、NZから北に伸びるケルマデック弧に位置する。最も近い陸地は無人のル・アーブル岩礁(L'Havre rock)で、Havreの名前の由来となった。