2016年2月25日木曜日

城ヶ島に見られる海底火山裾野の堆積構造

城ヶ島では観察できるのは、主に火山性タービダイトからなる互層である。名称としては中新世の三浦層群であり、こちらも素晴らしい海底火山の地質を観察することのできる伊豆半島の白浜層群と同時期とされている。白浜層群には岩脈や溶岩流などproximalなものが沢山あるのに対し、三浦層群には殆ど(全く?)ないのでdistalなのだろうと思われる。当時の火山フロント(??)から50kmほど海溝側といった塩梅だろうか。



解説は「2013年度大学院創造理工学研究科 大学院生による三浦半島ジオサイトの紹介」を参照してもらうとして、ここでは昨年に城ヶ島の西半分を歩いた時に撮った露頭写真をひたすら並べる。
のんびりと観察していたら結局西半分しか歩き回れなかった。特に重点的に歩きまわったのはこの辺り。

このように、現地を歩くよりもGoogle Mapsの衛星写真を見る方がマクロな層序は分かりやすい。
一般に黒いものはスコリア質の粗粒な火山性タービダイトであり、白っぽいものほど細粒でタフに近くなる。
西側にはチャネルっぽい構造が残っているが、本当にそうなのか面付きからはよくわからなかった。給源から50km離れてこの厚さなので、それなりのボリュームかもしれない。

露頭状況としてはこんな感じ。よくある「鬼の洗濯板」的な景観。
 

 

このように気持ちが良いぐらいにすぱーんと切れた断層から、変形構造を伴う断層、マクロなスケールで共役になっているものなど、なかなかバリエーションに富んでいる。中でもお気に入りなのが次の写真。

マクロな断層から分岐しbrittleな層へ発達した小さな断層。

城ヶ島の地質の最大の名物?は、この火炎構造。「オドリタフ」と呼ばれているらしい。確かに踊っているように見える。

「オドリタフ」こと火炎構造。K-H不安定性がよく保存されている。
写真としてはボールペンの位置が失敗。

K-H不安定性 (Kelvin Helmholtz Instability)のでき方は上の実験動画を参照。この露頭では火炎構造が時計回り方向に発達しているので、実験のように左側へ傾斜した斜面だったか、上位のタービダイトが右方向へ流れたかの何れかだと考えられる。リップアップクラスト的なものがあるので後者かとも思うが、更にその上位の堆積物とも時計回りの関係になっているので前者かも?

 

ついさっきペンキで塗ったかのような新鮮なクリーミーさで、見ていて飽きない。

火炎構造の水平方向の断面。3次元的な構造をとっていることが分かる。
液滴のように散らばっている。
その他の写真はこちら: Google Photo アルバム 城ヶ島個人巡検
日本に戻ったらまた出かけていって写真を追加したい。
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